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YAPC::Fukuoka 2025 に参加しました #yapcjapan

2025年11月16日
読了目安時間: 5 分 (約 2318 字)

YAPC::Fukuoka 2025 に参加したので、感想を書いていきます。

## YAPC::Fukuoka 2025について

2025/11/14 (木) - 2025/11/15 (金) に福岡工業大学で開催されたカンファレンスです。YAPCは「Yet Another Perl Conference」の略で、Perlを軸とした技術カンファレンスですが、Perl以外の話題も幅広く扱われるのが特徴です。

今年は福岡で開催され、弊社株式会社スマートバンクもプラチナスポンサーとして支援しているので、スポンサーブースのお手伝いも兼ねて参加しました。

## セッションの感想

複数トラックで様々なセッションが開催され、ブースのお手伝いをしている時間もあり全ては聴講できなかったものの、その中でも特に印象に残ったセッションについて紹介します。

### iPhone のマイナンバーカードを使った本人確認の実装

iPhone のマイナンバーカードを使った本人確認の実装 は、メルカリの @kg0r0 さんによる発表でした。

デジタル庁より2025年6月にリリースされたばかりの「iPhoneのマイナンバーカード」を使った本人確認の仕組みを、実際にプロダクションで活用している事例の紹介でした。「iPhoneのマイナンバーカード」はまだリリースされて間もないサービスのため、参考にできる事例がほとんどない中で実装を進めているという点が非常に興味深かったです。

現職でも本人確認の仕組みがあるため、将来的にこういった最新の仕組みを導入する可能性もひょっとしたらありそうで、最新の動向を知ることができて大変参考になりました。

### 大学における人工知能関連の教育について

大学における人工知能関連の教育について は、福岡工業大学で教授を務める山澤先生による発表でした。

今年度の学生が提出している課題が、これまでと比べて明らかに「生成AIを活用していそう」な傾向があるという話を主にしてくれました。興味深かったのは、提出されたコードの中で頻出する「AIっぽさ」(授業では教えていない用語がコメント中に現れたり、C言語しか教えていないのにC++の機能が使われているなど)をgrepして定量的に分析している点でした。

生成AIが当たり前になっていく中で、大学教育はどうあるべきか。課題で生成AIの使用をNGにすることは現実的ではないものの、一方で学生には基礎となる理論をしっかり学んでほしいという教育者としての悩みがリアルに伝わってきました。とても考えさせられるセッションでした。

### 「データ無い!腹立つ!推測する!」から「データ無い!腹立つ!データを作る」へ

@moznion さんによる「データ無い!腹立つ!推測する!」から「データ無い!腹立つ!データを作る」へ ― ゼロからデータを作り、チームで育てられるようにするまで は、決済サービスにおけるデータ整備の話でした。

決済店舗名を分類するためのデータを作るという、一見単純そうに見えて実は非常に複雑な課題に取り組んだ事例でした。現実世界のデータには表記揺れやtypoがあるのはもちろん、全く違う店舗が同じ名前で存在することもあるなど、実務ならではの泥臭い部分が赤裸々に語られていました。

特に印象的だったのは、これを単独で気合いで乗り切ったわけではなく、チーム全体で協力して仕組み化し、継続的にメンテナンスできる体制を作り上げたという点です。技術的な解決策だけでなく、組織的なアプローチの重要性を改めて感じました。

### 「バイブス静的解析」でレガシーコードを分析・改善しよう

@hitode909 さんの「バイブス静的解析」でレガシーコードを分析・改善しよう は一見勢いを全面に出した面白さに振ったものに見えましたが、実際に結果としてチームのコードベースから4万行ものデッドコードを削除できたという実績があって面白かったです。

精度が100%完璧でなくても、一定のデッドコードを検出して削除できるならば、こういったアプローチも十分に実用的だということを示していました。私も過去にはてなで働いていたことがあるので、話の中で出てきたコードベースの様子が何となくイメージでき、より興味深く聞くことができました。

### Stay Hacker 〜九州で生まれ、Perlに出会い、コミュニティで育つ〜

@pyama86 さんによるStay Hacker 〜九州で生まれ、Perlに出会い、コミュニティで育つ〜 は、キーノートセッションでした。

pyamaさんのことはエンジニアコミュニティの中で知っており、凄腕のシニアエンジニアというイメージを持っていました。そんなpyamaさんのバックグラウンドや、エンジニアとしての成長の軌跡、そして根底にある思いを知ることができる貴重な機会でした。

誰しも最初からバリバリできるわけではなく、みんな最初は初心者で悩みも多かったという当たり前だけど忘れがちな事実を改めて認識し、勇気づけられました。

pyamaさんはエンジニアリングの知識が少なかった頃でも、一定の度胸や「何とかなる」精神を持ち続けていたように見えてすごいなと改めて感じました。技術力だけでなく、こういったマインドセットの重要性を改めて感じ、自分も見習いたいと思いました。

## 参加者との交流

過去株式会社カケハシと株式会社はてなに在籍していた身としては、同僚や元同僚と久しぶりに会えたのが嬉しかったです。偶然にもそれぞれの会社がYAPCのスポンサーを出していて何人も参加していたため、たくさん会話することができました。今でも過去在籍していたそれぞれの開発チームやプロダクトの現状について個人的に応援しているので、近況を聞けて良かったです。こうして辞めた後でも変わらずコミュニティで交流できることのありがたさを改めて感じました。

私が福岡に住んでいた頃に繋がりを持ったエンジニアの多くとも改めて会って沢山会話することもできてよかったです。福岡のエンジニアコミュニティはとても温かい!

学生およびU29支援の効果のおかげか、学生や新卒の方も多い印象でした。個人的に印象に残っているのは、「YAPC::Hakodate 2024が自分の大学で開催されて楽しかったので今回も参加した」と話していたはこだて未来大の学生さんでした。地元で開催されたカンファレンスをきっかけに、遠方のカンファレンスにも足を運ぶようになったという話は、YAPCコミュニティの広がりを感じさせてくれました。

## まとめ

YAPC::Fukuoka、とても楽しいイベントでした。また次回のYAPC::Tokyoもぜひ参加したいと思います。ありがとうございました!