PHPカンファレンス小田原2025 にスタッフとして、そしてLT登壇者として参加したので、感想を書いていきます。
## PHPカンファレンス小田原2025について
2025/04/12 (土) におだわら市民交流センターUMECOで開催されたカンファレンスです。実行委員長は @asumikam で、去年に続き二回目の開催でした。通称「ぺちおだ」です。
今回のぺちおだでは様々な企画が開催されました。
- 匿名プロポーザル: 匿名プロポーザルの裏側|PHPカンファレンス小田原
- 前夜祭: ぺちおだ2025 zenyasai(前夜祭) - connpass
- 宮小路散策ナイト: 宮小路散策ナイトのシオリ|PHPカンファレンス小田原
- おだわランチコラボ / ランチマッチング: 2025年は地元のお店とランチコラボ!おだわランチこれ食べよ❣️|PHPカンファレンス小田原
- 梅丸グリーティング1
- ぺちおだ大合戦: みんなで白熱!ぺちおだ大合戦を運営がふりかえる|PHPカンファレンス小田原
- 懇親会 @ 万葉の湯
- 後日祭: 小田原移住を体験!街歩きツアー - connpass
## スタッフとして
今回私はスタッフとして「匿名プロポーザル」、「ぺちおだ大合戦」、そして当日の部屋担当や設営のお手伝いなどをしました。特に企画周りはスタッフチームみんなでよりいいものにしようと試行錯誤をしながら進めたのでとても楽しかったです。
### 匿名プロポーザル
匿名プロポーザルとは「プロポーザルの募集から採択まで全ての過程において、発表者の名前が伏せられている」状態のプロポーザル募集です。採択作業中のスタッフも誰一人発表者の名前を知ることがないため、暗黙なバイアスによって誰かを採択してしまうようなことを防ぐことを目的としています。
今回の「とにかく徹底して名前を隠す」という試みは非常に興味深かったです。私自身もスタッフでありながらも以下のプロポーザルを投稿しましたが、採択後名前が公開されるまで他スタッフに全くバレずに済んだのがシンプルに面白かったです。
🦍「小田原で みんなで一句 詠みたいな」 · Issue #3 · phpcon-odawara/cfp-2025
名前を伏せるだけだと「XXさんによる新作が投稿された!」みたいなわいわい感を出せなくなります。そのためなるべくわいわい感を残すためにも、GitHub issueは立てつつもX (旧Twitter) にも自動ポストする仕組みを用意したり、プロポーザルを投稿したユーザーごとに一意の「絵文字」を割り振るということもしました2。詳しい仕組みについては以下の記事をご覧ください。
### ぺちおだ大合戦
ぺちおだ大合戦は4つの「陣」に分かれていて、チーム対抗で遊んでいくコミュニケーションコンテンツです。
- 春の陣: スポンサーブースを巡った数をもとに点数が決まる
- 夏の陣: ランダムに渡された「PHP関数」をチーム内で「問題を出す人」と「当てる人」に分かれて当てる
- 秋の陣: ぺちおだ試験(PHPや小田原に関する問題が出題される)
- 冬の陣: 「HTTPステータスコード百人一首」で勝った方が相手の点数を総取り
これらの企画は「ぺちおだ大合戦」に関わったスタッフ陣で沢山の話し合いや試しプレイなどを重ねた上で作り上げました。ポンと出たアイデアをもとに準備したわけではなく、根底に「あらゆる参加者に楽しんでもらいたい。コミュニケーションを取り合ってもらいたい」というミッションがあったからこそこういう形になりました。
夏の陣はチームごとに配布物がそれなりにありました。PHPに関する知識の差のみで勝敗が決まることを避けるためにも、手作りのお助けコンテンツをみんなで用意し、あらかじめ封筒にまとめていきました。
秋の陣のぺちおだ試験は委員長の「紙とペンを使った試験をやりたい」という当初のアイデアが最後まで残り、その中でも「PHP」らしさと共に「小田原」らしさを出すようにしました。作問は複数人で色々と出し合ったものの中から選出して決めました。私も一部の問題の作問に関わりました。
冬の陣の「HTTPステータスコード百人一首」については、アゲピテック様 (@agepeanuts) の協力の元実現しました。全チームで同時並行に百人一首が遊べるように事前にデータとしていただいた上で、20セット分印刷して使いました。改めましてアゲピテック様ありがとうございました。
40チーム分3 (各チーム3名参加) の各種印刷物は実は全て私が家で黙々と印刷しました4。カード形のものはあらかじめ「カードとして手で切り抜ける紙」を購入しそれに印刷物のサイズを合わせたり、絵文字のシールもそれ用の紙に印刷をするといった地味だけど重要な作業をしました。ちゃんと役に立てたようでよかったです。
何はともあれ、関わったみなさまありがとうございました。参加者のみなさまも楽しんでいただけたようで何よりです。
## LT登壇者として
今回は「小田原で みんなで一句 詠みたいな」 というLTをしました。LT資料は以下の通りです。
今回LTということで「きっとこういうネタは受けるだろうな」という気持ちと同時に「PHP向けの形態素解析ライブラリや、OpenAIのAPIの活用法など地味に学びがあるのではないか」という期待も持って応募しました。まさかスタッフでありながらも採択されるとは思わず驚きました。
登壇準備を進めていく中で、igo-phpというライブラリの存在を知ったり、OpenAI の APIはものすごく簡単に使えることを知ったりと学びがありました。特にコード中にAI向けの指示を自然文で書くだけで、AIがいい感じのレスポンスを返してくれるのが本当に不思議な体験だと思いました。詳しくは以下のリポジトリをご覧ください。
それなりに直前まで準備していたこともあり、プロポーザル時点では検討していなかった「俳句判定MCPサーバーの実装」も頭をよぎりました。しかし、PHPでMCPサーバーの実装がどれほど不確実性高いものなのか、あまり自信がなく結局スコープ外としました。もしやるとしたら以下のuzullaさんの記事を参考にするつもりではありました。
何はともあれ、非常に温かいPHPerの皆様の中で楽しくLTができました。ありがとうございました。
Footnotes
-
梅丸とは小田原市の観光PRキャラクターです。 https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/topics/umemaru.html ↩
-
この絵文字の割り振りも実は布石となっていて、のちに「ぺちおだ大合戦」のチーム割り振りにも使われました。すごい。 ↩
-
当日は30チームの参加となりましたが、各種配布物は多めに見積もって40チーム分用意しました。 ↩
-
このために家庭用のレーザープリンターを購入しました。めちゃくちゃ便利です。 ↩